
歯科衛生士さんが、歯のケアをしていることはわかると思いますが、
細かくどんなことをしているのでしょうか?
ここでは歯科衛生士さんのお仕事についてお伝えします!
お口の中だけじゃない!歯や口腔の健康づくりから
全身の健康をサポートする医療国家資格を持つ専門職

歯科衛生士とは
歯科衛生士は、口腔の健康管理を通じて全身の健康を支える国家資格をもった専門職です。近年では、歯並びやホワイトニングなど、口元の美しさに重点を置く専門歯科医院で働く歯科衛生士も増えています。口元にコンプレックスを感じていたり、トラブルを抱えている人の悩みを解決へ導きます。患者さんが自信をもって笑えるようになったとき、やりがいを感じます
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お仕事 その
歯の病気予防
歯を始めとした口内のチェックや、歯石の除去、むし歯予防の薬を塗ったりします。
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お仕事 その
歯のケアのレクチャー
保育園、幼稚園、小学校で正しい歯のみがき方をレクチャーします。
最近では老人ホームで歯みがきを教えることも増えています。 -
お仕事 その
歯医者さんのサポート
歯科衛生士の資格がある人は、治療目的で患者さんの口の中を触ることが許可されているので、歯科衛生士は歯医者さんのパートナーとして治療に参加することができます。
仕事内容
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お口のトラブルを防ぐ!歯科予防処置
「むし歯」や「歯周病」を予防、健康な口腔内を維持するために
疾患の原因になる歯に付着した汚れ(プラーク・歯石など)の除去や
「むし歯」の発生・進行を防ぐ薬の塗布を行います。 -
歯科医師・患者さんをサポート!歯科診療補助
診療が円滑かつ安全に進むよう歯科医師の補助するとともに、歯科医師の指示を受けて歯科治療の一部を担当します。
患者さんへ不安を与えないように、コミュニケーションを図り、歯科医師とのかけ橋の役割も担います。 -
お口の健康を守る!歯科保健指導
正しい口腔内の知識や技術を伝えることによって、正しい生活習慣を身に着けてもらうことを目的として自分の歯を守ることの大切さを伝えます。その人にあったブラッシング方法や食事指導を行い生活習慣改善のお手伝いをします。
1日のスケジュール
- 歯科医院で勤務の場合
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- 08:30
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出勤・準備・朝礼
院内の清掃や、診療に必要な機器の準備などを行います。
朝礼で予約状況など連絡事項を共有します。
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- 09:00
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診療開始
予約患者さんの診療を行います。
歯科衛生士が行うのは、歯のクリーニングや定期健診が中心です。
必要に応じて、歯科医師の診療や手術の補助を行います。
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- 13:00
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昼休み
個人経営では、昼休みを2時間程休憩時間をとるところが多いです。
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- 15:00
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午後の診療開始
午後になると、学校帰りのお子さんや仕事帰りの人が増えてきます。診療のほか、毎週決まった曜日と時間に訪れる納入業者の対応もします。
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- 19:00
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診療終了
診療が終わって器具の片づけなどが済めば、退勤です!歯科医院は予約制なので残業は少ないです。
自宅に持ち帰ってやらなければならない仕事もないので、友人とあったりプライベートの時間もしっかり確保できます!
歯科医院は、月曜日から土曜日まで診療しているところが多いです。その場合、歯科衛生士の休日は平日のどこか1日と、日曜日の週2日になります。
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- 大学病院・総合病院で勤務の場合
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- 08:40
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出勤・準備・朝礼
診療器具の準備や清掃をおこないます。
歯科医師や他の歯科衛生士、歯科助手、事務スタッフなどと朝礼をし、予約状況や入院患者さんの状態などを共有します。
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- 09:00
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午前診療
外来の患者さんの歯周病の治療や歯のクリーニング、診療の補助などを担当します。
歯科医院とは異なり全身疾患を持った患者さんもいるため、一人ひとりの病状にあった処置を考えておこなう必要があります。
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- 12:30
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休憩
他の歯科衛生士と交代制で1時間の休憩をはさみ、食堂で昼食をとります。
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- 14:00
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入院患者の口腔ケア
入院病棟をまわり、患者さんの口腔ケアをおこないます。
高齢者や寝たきりの患者さんの口腔内をスポンジで拭き取り、清潔な状態を保ちます。
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- 15:30
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手術の準備・補助
歯科医院で処置が難しいと判断された、親知らずの抜歯の外科手術のサポートに入ります。
手術に向けて器具を準備して治療の補助にあたり、手術前後は口腔ケアをおこない患者さんの口内を清潔に保ちます。
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- 17:30
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業務終了、退勤
業務記録や片付けをおこない、着替えをして退勤します。
月曜日から金曜日までの平日は17時前後までの診療時間で一般の歯科医院よりも勤務時間は短めで、休日は土日休みのところが多いです。学会やカンファレンスに参加することもあります。
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歯科衛生士の就職先として、最もメジャーな職場が歯科医院です。医院によって全員が決まった時間で勤務するのところとシフト勤務のところがあります。定時が9時から19時で働く、歯科衛生士の1日を紹介します。
障害や全身疾患をお持ちの患者さんや、外科手術や大掛かりな矯正治療など一般の歯科医院では対応が難しい患者さんの診療を行っています。
歯科衛生士に向いている人とは
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向いている人
その人と話したり、人と接したりするのが好き!
歯科衛生士は、コミュニケーションを取ることが重要な仕事です。
コミュニケーションをしっかり取らずに治療を進めていった場合、患者様に不信感を抱かせる原因になったり、トラブルに発展することもあります。
また、患者様だけでなく、スムーズな診療のために歯科医師や他のスタッフとのコミュニケーションも大切です。
患者様や周りのスタッフと積極的なコミュニケーションが必要とされるため、人と接することが好きな人は歯科衛生士に向いているといえるでしょう。 -
向いている人
その手先が器用で、細かい作業が好き!
お口の中という限られた場所で、、部分的な治療を求められることがあります。
小さい歯や細かい器具を取り扱うことが多いため、手先の器用な人のほうがスムーズに作業を進めることができます。
しかし、不器用な人も心配はいりません。学校の実習や卒業後の技術・知識を学ぶ機会はたくさんあり、どんな方でも技術を積むことができます。 -
向いている人
その誰かの役に立ちたい!
歯科衛生士は予防に特化したお仕事です。お口の中から全身疾患にも影響があると言われていることから、患者さんの食生活や健康状態も把握しつつ健康を維持・増進をはかる指導を行います。
また、歯科医師と連携を取りながら診療の補助を行っていきます。
歯科医師、患者さんなどのサポートをしていくので、人の役に立つのが好きな方に向いています。 -
向いている人
その安定して長く働きたい!
歯科衛生士の大半は歯科医院で働いていますが、歯科医院は全国各地に数多くあり、地域を問わず一定の求人が見込めます。
特に女性は結婚や出産などに伴い、転職や退職を決断することも珍しくはないでしょう。
そんな時に歯科衛生士の資格があれば、新たな就職先も見つかりやすなります。
資格があることで専門性の高い業務が行えるようになる分、安定した収入も得られます。
歯科衛生士は景気やライフスタイルの変化に左右されず、生涯にわたって働き続けられる仕事です!
仕事のやりがい

歯科衛生士科
川村 梓先生
- PROFILE
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地元岩手県の専門学校卒業後、 上京し都内の予防歯科を中心に診療を行う歯科医院で4年半勤務。 小学校での健康教室や歯科衛生士専門誌での執筆活動の経験も。
- 歯科衛生士が果たす役割と重要性
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“お口の健康”は、QOL(生活の質)や全身の健康とも密接につながっています。
歯を失う原因の多くはむし歯(う蝕)と歯周病ですが、歯科衛生士はそれらの予防や治療に深く関わっています。
子どもたちに歯のみがき方を指導したり、お年寄りに摂食・嚥下機能訓練をおこなったりと、幅広い年代の人々の健康を“お口”から支えています。
その他にも、歯科医師の治療方針や内容を正確に把握し、患者さんに分かり易く説明するなど、患者さんとのコミュニケーションが求められます。患者さんの不安や恐怖を取り除く「やさしさ」、「思いやり」、「笑顔」が何より大切な役割です。 - 歯科衛生士を目指したきっかけ
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自分の将来につて考えたときに浮かんだのが幼少期から通っている歯科医院の
治療が苦手だったわたしをいつも励まし、寄り添ってくれた歯科衛生士さんの姿でした。
幼い私からの絶大な信頼はもちろんですが、どの患者さんとも明るくお話する歯科衛生士さんを見て憧れたのがきっかけです。 - 現場で仕事をしていてよかった瞬間
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担当している患者さんの口腔内に良い変化があったときや、気になっていた点を改善できたときなど
嬉しいことを患者さんと一緒に共有できたときにやりがいを感じます。
また直接感謝の言葉をかけていただいたときもとっても嬉しいです! - 歯科衛生士を目指す人へのメッセージ
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歯科衛生士は歯科医院はもちろん、介護福祉施設や審美歯科など働く環境や分野の選択肢が多くあります。
活躍の場がどんどんひろがっており、将来性が大きく拓かれている職業だと言えると思います。
人々の笑顔と健康を支えるお仕事を一緒にしていきましょう◎
Q&A よくある質問
- Q 文系出身でも勉強についていけますか?
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A
結論からお話すると、大丈夫です!
いわゆる計算や物理が得意という理系の学びは歯科衛生士の勉強にはあまり出てこないものですが、小学生で習った分数や小数点、パーセンテージは仕事上よく使います。
また、教科書を読んで理解をすることや、説明を理解する、といった国語の読解力は求められることから、文系の学びも役に立ちます。
ということから、歯科衛生士を目指すうえで、理系か文系どちらが有利かということはなくどちらの知識も必要!ということになります。
何より必要なのは、新しいことを学ぶ意欲!歯科衛生士を目指すために新しい勉強でも積極的に学べる姿勢です。 - Q 歯科衛生士の収入は?
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A
厚生労働省の統計によると、平均月給は26万8,000円、賞与等を含めた平均年収は363万9,000円です。
大卒女性の初任給平均20万2,600円と比べると、医療に従事する専門職であることから少し高めの給与となっています。
ですが、働く場所や勤務体系などによって年収が異なるのが事実です。
実際、年収の上限平均を見てみると約438万円であるのに対し、下限平均は約332万円であり 勤務先や経験・スキルに伴いボーナスの頻度や額で平均年収に差があります。 - Q 歯科衛生士になるにはどうすればいいの?
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A
歯科衛生士になるには、⻭科衛⽣⼠国家試験に合格する必要があります。
高校卒業後に文部科学大臣指定の歯科衛生士学校や、都道府県知事指定の歯科衛生士養成所で、決められた科目を修得し、卒業することで受験資格が得られます。
国家試験は年1回実施され、合格率は90%以上と高い傾向にあります。
歯科衛生士の国家資格は1度取得すると、更新なく一生有効です。 -
3年制養成所へ進学する場合
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3月
高校卒業
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4月
養成所入学
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《 3年の修学期間 》
3年の
修学期間国家資格取得
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3月
養成所卒業
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4月
就職
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3月