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2024.08.07


視能訓練士と眼科看護師の違いを解説|それぞれの業務内容も紹介

視能訓練士と眼科看護師に、どのような違いがあるか疑問を持っている学生は少なくありません。 視能訓練士はまだ知名度の低い職業なので、具体的な働き方や特徴のイメージが持てない方が多いためです。 本記事では、3つの観点から視能訓練士と眼科看護師の違いを解説します。 眼科領域への進路を検討している学生は、本記事を参考にしてください。

視能訓練士の役割と業務内容

最初に、視能訓練士の特徴と主な業務内容を解説します。 初めて視能訓練士という職業を知った方は、どういう職業なのか把握してみてください。

視能訓練士とは?

視能訓練士は、視覚に関する高度な専門知識と技術を持ち、視機能の検査や機能訓練を担当する職業です。 視覚機能に障害がある患者に対して、さまざまな検査を用いて適切な治療法を見つけ出します。 視能訓練士は、眼科医の指示のもとで検査や機能訓練などの業務を行い、患者をサポートすることが役割です。 患者が適切な視覚機能を維持し、視覚障害を改善するためには、視能訓練士の存在が欠かせません。

視能訓練士の業務内容

視能訓練士の主な業務として、以下のようなものがあります。
  1. 視能矯正
  2. 視能検査
  3. 健診(検診)業務
  4. ロービジョンケア

視能矯正

視能矯正は、子どもの視覚発達において重要な役割を果たします。 視覚の発達には期限があり、この期限内に適切な矯正を行うことが必要になるためです。 視能訓練士は、言語表現が未熟な低年齢の小児に対して、専門的な技術と経験を駆使して視機能検査を実施します。 これらの検査には、両眼視機能の評価や眼位の測定、そして眼球運動の詳細な観察が含まれます。得られた結果にもとづいて、弱視や斜視などの視覚発達障害に対する視能訓練プログラムを行うのが視能訓練士です。

視能検査

視能検査は、人間の眼を総合的に評価するために行います。 具体的な検査内容は、以下のとおりです。
  1. 視力検査
  2. 屈折検査
  3. 眼圧検査
  4. 視野検査
  5. 眼底・前眼部の写真撮影および画像診断検査
  6. 角膜形状検査
  7. 電気生理検査
  8. 超音波検査
上記の検査は、適切な眼鏡やコンタクトレンズの処方だけではなく、白内障や緑内障などの眼疾患を早期発見するために重要です。 視能検査は単なる機械的な測定ではなく、患者の視覚の状態や眼の健康を総合的に評価するため、視能訓練士の専門性が欠かせません。

健診(検診)業務

視能訓練士の役割は医療機関内だけではなく、地域の健康増進活動にも参加します。3歳児健康診査での視覚検査は、弱視や斜視などの早期発見につながります。 早期に異常を発見し、将来の視機能を守るためには視能訓練士の知識が欠かせません。 就学時健康診断での視覚検査でも、視能訓練士の役割は重要です。 学習に必要な視覚機能を適切に評価することで、学習障害の一因となりうる視覚の問題を早期に発見し、学習効率の低下を防止できます。 成人を対象とした生活習慣病予防健診では、加齢に伴う視機能の変化や、糖尿病網膜症などの生活習慣病に関連した眼疾患の早期発見に貢献します。

ロービジョンケア

ロービジョンケアとは、視覚に障害があり、生活に支障をきたしている方々に対する支援のことです。視能訓練士は、眼疾患や外傷により視機能が低下した方々に対して、きめ細やかなサポートを提供します。 まず、患者一人ひとりの日常生活や学業、仕事などにおける具体的な問題を聞きます。 そして、以下のような方法で「見えにくさ」を補うのが役割です。
  • 拡大鏡や単眼鏡などの光学的補助具の選定と使用訓練
  • 遮光眼鏡による眩しさ対策
  • 拡大読書器の導入
さらに、照明の調整や拡大文字の活用など、生活様式の工夫についてもアドバイスを行います。 ロービジョンケアの対象は、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層が対象です。 それぞれの年齢や生活環境に応じて、教育機関や就労支援機関、視覚リハビリテーション施設などとの連携も重要な役割となります。 視能訓練士は、これらの関係機関との橋渡し役も担い、包括的なサポートネットワークの構築に貢献しています。

眼科看護師の役割と業務内容

眼科看護師は、眼科に特化した医療知識と技術を持ち、直接的な患者ケアを担う専門職です。 眼科診療において、眼科医や視能訓練士をサポートするのが主な役割です。 視能訓練士とは異なる視点で、眼科医療の質を向上させる重要な役割を果たしています。

眼科看護師の業務内容

眼科看護師の主な業務内容には、以下のようなものがあります。
  • 診療補助
  • 処置の実施

診療補助

眼科看護師は、眼科医の診療を円滑に進めるために補助を行います。 具体的には、以下のような業務を担当します。
  • 直接的な患者対応
  • 検査や処置の準備
  • 手術器具の準備
診療補助は、眼科医の手が届かない細かな業務をサポートし、治療の効率を高めるために欠かせません。

処置の実施

具体的な処置としては、患者への点眼や眼帯の装着などがあります。処置の実施は、患者の状態を常に把握し、適切な対応が求められます。 視能訓練士は直接的な医療行為を行うことはできませんが、眼科看護師は患者への医療行為ができるのが特徴です。

視能訓練士と眼科看護師の3つの違い

視能訓練士と眼科看護師は、共に眼科領域で働く専門職ですが、資格取得の過程や業務内容、さらに年収で以下のような違いがあります。
視能訓練士 眼科看護師
臨地実習時間 450時間 1035時間
国家試験合格率 (2022年度全国平均) 91.8% 91.3%
平均年収 426.5万円 498.6万円 (夜勤手当含む)
求人倍率 3.17倍 2.37倍
働き方 基本夜勤なし 日曜・祝日は休みが多い 夜勤あり

引用:東京医薬看護専門学校|視能訓練士のお仕事

それぞれの役割や専門性にもとづいて、その違いを詳しく解説します。

実習時間と資格取得の違い

視能訓練士と眼科看護師は、実習時間が異なります。 視能訓練士は450時間なのに対して、眼科看護師は1035時間必要です。 実習時間がより短いのは、視能訓練士です。また、視能訓練士と眼科看護師は、異なる資格を取得します。 視能訓練士になるためには、専門の養成校を卒業することと、国家試験に合格することで就業できます​​。 養成校では、視覚機能に関する高度な知識と実践的な技術の習得が重要です。 一方、眼科看護師は、看護師資格を取得する必要があります。 看護師資格を取得するためには、看護学校を卒業し、国家試験に合格しなくてはいけません。 眼科看護師は一般的な看護ケアだけではなく、眼科領域に特化した専門知識も求められます。

働き方の違い

視能訓練士と眼科看護師の働き方には、明確な違いがあります。視能訓練士は、日中の診療で視機能の検査や訓練を行います。 そのため、夜勤がないので規則正しく働けるのが特徴です。 眼科看護師は、勤務先によって夜勤も担当する必要があるので、勤務時間や休日が不規則になります。 転職を検討する際も、視能訓練士は有効求人倍率が3.17倍あるのに対して、眼科看護師は2.37倍しかありません。 求人は多ければ多いほど転職しやすくなるので、視能訓練士のほうが働く環境を選びやすいといえます。

年収の違い

視能訓練士と眼科看護師は、年収にも差があります。 一般的に、眼科看護師の方が夜勤がある分、視能訓練士よりも高い年収を得やすくなっています。 視能訓練士の年収は、勤務する医療機関や地域によって異なりますが、看護師と比較すると若干低いのが現状です。しかし、視能訓練士は視覚機能の専門家としての高い専門性が求められ、その専門性が評価される場面も多々あります。 また、視能訓練士は平日の日勤が一般的なので、家庭やプライベートとの両立をしやすい点がメリットです。

視能訓練士を目指す学生におすすめの専門学校

看護師を目指す学生が看護学校に進学するように、視能訓練士になるためには養成校へ進学する必要があります。 その中でも、就職率100%を達成した東京医薬看護専門学校の視能訓練士科を紹介いたします。

文系出身や社会人でも視能訓練士を目指せる

東京医薬看護専門学校の視能訓練士科は、数学や物理の授業があるので文系からでも進学可能です。 医療分野に進むためには数学や物理学など理系の知識が必要になりますが、本校は基礎から丁寧に授業を進めるので文系出身でも問題ありません。 また、学生データとしては19歳〜22歳が12.5%、22歳〜30歳が3.1%と年齢も幅広いのが特徴です。 社会人として働きだしたあとでも視能訓練士を目指せるので、ご安心ください。

自分に合った専攻を選べる

3年次になると国家試験対策と病院実習が始まりますが、2年次は専攻授業を採用しています。 学生が選べるのは、以下の3つの専攻です。
  • スポーツビジョン専攻
  • こども発達専攻
  • リハビリテーション専攻
スポーツが好きで、スポーツ業界への就職を希望する学生は、スポーツビジョン専攻が最適です。 視力を向上させるビジョントレーニングを習得し、子どもからアスリートまで幅広い世代の測定を担当します。 子ども発達専攻では、年齢別の測定方法や接し方を学びます。 子どもが好きで、子どもの発達をサポートしたいと考えている学生におすすめの専攻です。 リハビリテーション専攻は、個人差のある視覚障害について学びます。 実際に視覚障がい者の方と関わる機会を通じて、安全で安心できる生活を送る手助けをします。

視能訓練士は安定した働き方を実現できる職業

視能訓練士と眼科看護師は、同じ眼科領域で働く職業ですが、必要となる資格や働き方まで違いがあります。 長く安定して働きたいと考えている方は、夜勤のない視能訓練士がおすすめです。 東京医薬看護専門学校の視能訓練士科は、文系出身や社会人でも資格を取得し、視能訓練士として活躍できるカリキュラムを提供しています。 個人の目標や興味に合わせて専攻を選べるので、理想の働き方を実現できます。 視能訓練士について気になった方は、お気軽に資料請求をお申し込みください。