
2024.06.19
バイオデータサイエンス
遺伝子検査で将来の病気のリスクは分かる?検査方法や精度について解説
- 「将来、がんなどの病気のリスクを知りたい」
- 「遺伝的に生活習慣病になりやすいか知りたい」
- 記事の概要
病気のリスクが分かる?遺伝子検査とは
遺伝子検査とは、遺伝子を構成しているDNAを調べる検査です。遺伝子の特徴は個人差があるため、調べることで将来かかりやすい病気を把握できます。 あくまで病気のリスクを調べるだけで、必ずその病気にかかるとは限りません。かかるリスクの高い病気が分かれば、普段の食生活や生活習慣を見直して予防ができます。がんリスクに関する2種類の遺伝子検査
遺伝子検査は、がんの治療現場でも用いられています。 国立がんセンターの統計によると、日本人が一生涯のうちにがんになる割合は以下のとおりです。- 男性:49%
- 女性:37%
- DNA検査
- RNA検査
DNA検査
DNA検査は、がんに関連する遺伝子の発生状況や遺伝子の変異を調べます。 採血を行ってDNAを調べ、がんが発生しやすい状況か、またはすでにがんが発生しているかのリスクを分析します。 がんのリスクがあると評価されても、すぐにがんになるわけではありません。 医師と相談して予防に努めることが大切です。RNA検査
RNA検査は、がんの早期発見に役立つ遺伝子検査です。 臨床研究で感度(正しくがんと判定された割合)98.5%、特異度(正しくがんではないと判定された割合)92.9%と高い精度が確認されています。 胃や腸などの消化器官、肺、生殖器官などのがんを調べられます。 遺伝子そのものを調べるので、通常の健康診断などでは発見できない初期のがんも発見できるのがRNA検査のメリットです。がん遺伝子検査は保険適用になる場合がある
一般的に遺伝子検査は自由診療になるので、公的医療保険が適用されないケースがほとんどです。しかし、一部のがん遺伝子検査については保険適用になる場合があります。 医師が診察の中で遺伝子検査が必要だと判断した場合は、保険適用になります。 がんに関連した遺伝子検査は、遺伝子の異常を解析する「体細胞遺伝子検査」と、がんにかかりやすいかや薬の副作用等を解析する「遺伝学的検査」の2種類です。 保険適用となる遺伝子検査は限定的なので、遺伝子検査は自費診療になると考えておきましょう。 また、保険適用の条件や手続きは検査によって異なるため、詳細は医療機関に確認する必要があります。 遺伝子検査を受ける際は、保険適用の有無だけでなく、検査の必要性やメリットデメリットについても医師とよく相談することが大切です。遺伝子検査には市販の検査キットもある
現在では、病院で遺伝子検査を受けなくても通信販売で検査キットを購入できるようになりました。 唾液や校内粘膜から遺伝子を調べられるので、一般の人でも気軽に遺伝子の特徴を把握できます。 市販の検査キットでは、以下のようなリスクを解析します。- がんなどの疾病
- 肌や体質の傾向
- AGAなどのリスク
市販の検査キットについて
遺伝子検査はあくまで「検査」であって、医師による「診断」とは異なります。あくまで傾向性を把握する程度と考えておいた方が良いとされいます。 そのため、予期せぬ結果が出たとしても焦らずに日々の生活を気をつけることが大切です。遺伝子検査で分かる病気やリスク
国立研究開発法人の国立国際医療研究センター病院は、遺伝子検査で分かる病気として以下の3つをあげました。- ヒトに感染症を引き起こす病原体
- 悪性腫瘍(がん組織)
- 親から子に受け継がれる体質(薬に対する副作用など)や病気(遺伝性疾患)
遺伝子検査の結果はバラバラ?結果の正確性
近年広がりを見せている遺伝子検査ですが、検査の結果がバラバラだという意見もあります。 現在の日本では、罰則のある法的な規制がないため、市販の検査キットの中には医療機関の介入していないキットも存在しています。ガイドラインを守っている業者は6割未満しかいない
厚生労働省研究班の行った調査では、インターネットで遺伝子検査を行っている企業のうち、経済産業省の個人遺伝情報保護ガイドライン(指針)を遵守していたのは56%だったと発表しています。 そのため、民間事業者の検査キットは品質に大きな差があり、検査結果もバラバラになっています。 正しい遺伝子検査を受けるためには、医療機関を受診して専門医に検査を依頼しましょう。遺伝子検査の結果は本人だけではなく家族にも影響する
遺伝子検査を行う目的は、生まれ持った特性を調べることです。そのため、自分の遺伝情報は子どもにも引き継がれる可能性があります。 妊婦の血液から胎児の染色体異常を調べたり親子鑑定をしたりするケースもあります。 産婦人科の介入がないまま、遺伝子検査で中絶の判断をしてしまうのは深刻な問題です。 遺伝子検査を行う際は、家族にその旨を伝え、信頼できる医療機関で検査を受けましょう。病気のリスクが分かる遺伝子解析を学べる専門学校
遺伝子検査は、今後さらに需要の増加が見込まれています。 そのため、遺伝子解析ができる人材の確保が急務となっています。 この記事を執筆している東京医薬看護専門学校では、バイオデータサイエンス学科で遺伝子解析の基礎から実習まで習得可能です。バイオデータサイエンス学科の遺伝子解析
バイオデータサイエンス学科は、バイオテクノロジーとデータサイエンスを組み合わせた現代的な学科です。 バイオテクノロジーに特化した研究者やデータサイエンスに特化したIT技術者はいますが、その両方を兼ね揃えた人材は希少な存在です。 現在では、遺伝子解析やデータをもとにした遺伝子の変異を予測する予防医療が重要視され、データ解析ができる研究者の需要が増加の一途をたどっています。ゲノム解析実習で即戦力になれる人材を育成
バイオデータサイエンス学科では、カリキュラムにゲノム解析実習を取り入れています。 生命科学と情報科学の知識を掛け合わせるため、さまざまな解析手法を習得できます。 医療現場で求められている人材を把握し、きめ細かいカリキュラムを設計しているのがバイオデータサイエンス学科の特徴です。 そのため、卒業生の多くは研究やデータ解析の現場で活躍しています。バイオデータサイエンス学科から製薬業界や研究機関へ
バイオデータサイエンス学科で培った知識とスキルは、製薬業界や研究機関で発揮できます。 製薬業界では新薬の開発に必要な研究を行い、研究機関では遺伝子検査や病原菌の研究を担当します。 薬の開発や病気の研究は、人間がいる限り必ず必要になるので安定した業界です。 遺伝子検査を通じて、将来性のある業界への就職を目指してみませんか?遺伝子検査は将来の病気リスクを調べる効果的な方法
遺伝子検査は、自分の生まれ持った遺伝子を調べることで将来の病気リスクを把握できる検査です。 体質や遺伝子の特徴を調べるだけではなく、がんのリスクを把握する役割もあります。 現在はインターネットなどでも検査キットを購入できますが、品質にバラつきがあるため推奨できません。 遺伝子検査を受ける際は、信頼できる医療機関で行いましょう。 遺伝子解析技術は、病気の予防だけでなく、新薬や食品開発にも応用されています。 バイオデータサイエンス学科の卒業生は、習得した知識やスキルを用いて将来性のある遺伝子解析や研究に従事しています。 就職に役立つ実践的なスキルを身につけたいと考えている方には、東京医薬看護専門学校のバイオデータサイエンス学科がおすすめです。 健康維持に役立つ遺伝子解析に興味を持たれた方は、以下のリンクから資料をご請求ください。