
2024.10.03
医療事務
医療事務の仕事内容は?1日の仕事の流れと就職先・平均年収も解説
医療事務職は、事務職の中でも特に人気が高く、就職を希望する人が多い仕事の一つです。医療事務になるために資格の取得を検討されている方も多いかと思います。
本記事では、これから医療事務として働きたい方に向けて、医療事務の仕事内容や仕事の流れを解説します。より具体的に医療事務職について知りたい方は必見です。
- 記事の概要
医療事務の仕事内容
医療事務は、医療機関や関連企業で事務作業全般を担当し、病院やクリニックの運営を支える重要な職種です。受付から診療報酬請求まで、患者が安心して医療サービスを受けられるようサポートします。 ここでは、医療事務の主な仕事内容として4つ解説します。1.受付業務
受付業務は、医療事務の基本業務です。患者の来院時に受付で行う以下のような業務全般に対応します。- 診察券と保険証の確認
- 問診表の記載
- カルテの準備
2.会計業務
会計業務は、診療後に患者からの支払いを受ける業務です。診療内容にもとづいて診療費用を計算し、患者に請求する金額を正確に算出します。医療費は複雑な計算が必要なため、専用のシステムを用いて処理するのが一般的です。 診療報酬点数表を用いた計算を行い、保険適用の有無や自己負担割合の確認も合わせて行います。支払いに関する患者の質問や不明点がある場合は詳しく説明し、安心して支払いできるような対応を心がけましょう。3.レセプト業務
レセプト業務は、医療事務の中でも専門的な知識が求められる重要な業務です。診療報酬明細書(通称レセプト)を作成し、診療報酬を請求します。 レセプト業務では患者の診療内容を正確に入力し、保険点数を算出しなくてはいけません。保険診療の場合は、診療行為が保険適用されるかどうか、また点数がどの程度適用されるかを判断する知識が必要です。 誤った記載があると診療報酬が減額される可能性もあるため、注意深い作業が求められます。4.クラーク業務
病院やクリニックのなかには、医療事務がクラーク業務を担当することもあります。クラーク業務は、医師の指示にもとづいてカルテの管理や診療記録の入力などを行う業務です。 医療事務がクラーク業務を担当すると医師が診療を進行しやすくなるため、時間を有効活用できます。クラーク業務を担当する際は、医療用語や診療手順に精通していることが重要です。また、患者に対する説明資料の作成や、検査結果の整理・配布もクラークの仕事に含まれます。 診療の効率を高め、患者にとってスムーズな受診体験を提供するためには、クラーク業務が重要です。医療事務の基本的な仕事の流れ
医療事務の一日は、朝から夕方まで多岐にわたる業務が続きます。それぞれの時間帯によって業務内容は異なるので、表を使って時間帯別の業務内容を詳しく解説します。1日の流れ 業務内容の一例 朝の業務 (8:30-9:00) 医療事務は受付の準備から始まります。 受付で使う書類やシステムをセットアップし、患者を迎える準備を整えます。 また、診察予約の確認やカルテの準備もこの時間に行います。 午前の業務 (9:00-13:00) 午前中の診療が始まると、受付業務や会計業務が中心となります。 診療の補助としてクラーク業務も行い、診療内容をカルテに記録します。 患者が診察を終えたら、会計業務を担当し、診療費の計算と支払いの対応を行います。 昼の業務 (13:00-15:00) 昼休憩の時間帯はゆっくりと休み、午後の診療に備えます。 午後の業務 (15:00-19:00) 午後の診療が始まると、再び受付業務や会計業務が中心となります。 午後の診療も同様に、診療補助と診療後の会計を迅速に処理します。 終了準備 (19:00-19:30) 夕方は、診療報酬を正確に計算し、保険者に提出する準備を行います。 また、カルテの整理や診療情報の入力も進めます。 業務終了前には、翌日の準備を行い、受付や会計の締め作業をします。 医療事務の就職先
医療事務の就職先は複数あり、それぞれ異なる業務内容や職場環境があります。ここでは、代表的な就職先について詳しく説明します。1.病院
病院は、医療事務の就職先として人気です。病院は患者数や診療科が多いため、医療事務の業務範囲も広がります。 受付や会計、カルテ管理やレセプト業務といった基本的な事務作業に加え、病棟クラークとして病棟内の書類管理や患者情報の整理も担当します。病院では多くの患者に対応するため、スピーディーかつ正確な対応が欠かせません。 また、複数の診療科を持つ病院では、診療科ごとに専門的な知識が必要になる場合もあり、医療事務としてのスキルが幅広く求められます。2.クリニック
クリニックでの医療事務は、病院と比べて業務範囲がやや狭い分、患者と直接コミュニケーションを取る機会が多くなります。受付業務、会計業務、レセプト作成のほか、医師の診療をサポートする業務も含まれます。 クリニックでは医療事務の人員が限られるため、一人で多くの業務をこなす必要があり、柔軟な対応力が必要です。患者との距離が近いため、話しやすさや傾聴力など、コミュニケーション能力も重視されます。3.薬局
薬局での医療事務は、主に調剤報酬請求に関連する業務を中心に行います。患者が持参する処方箋の内容を確認し、適切にレセプトを作成することが重要です。また、薬の受け渡しや患者対応も行うため、薬剤師と密に連携しながら業務を進めます。 薬局では薬学の基礎知識や調剤報酬に関する知識が求められます。薬を取り扱うため、病院やクリニックの医療事務とは業務内容が異なるのが特徴です。4.健康保険組合や医療系企業
健康保険組合や医療系企業では、医療事務の知識を活かしながら業務に従事します。健康保険組合では、保険請求の審査や管理業務を担当したり、医療費の適正化を図ったりするのが主な役割です。 医療系企業では、医療事務システムの開発や販売、または医療機関へのコンサルティング業務なども行います。これらの職場では、医療事務の知識に加えて、経営的な視点やITスキルも求められます。 特に、医療事務システムの開発に関わる企業では、システムに対する深い理解とユーザーのニーズを捉える能力が重要です。医療事務の平均年収はどのぐらい?
厚生労働省が提供している職業情報サイトの「jobtag」によると、2023年の医療事務の平均年収は478.3万円でした。大規模な総合病院では業務範囲が広く、診療科によって専門的なスキルも求められるため、年収が高くなる傾向があります。 一方で、クリニックや個人経営の診療所では診療科が限られるので、年収は若干低くなります。また、医療事務の年収は地域による差も考慮しなくてはいけません。 都市部では医療機関の数が多いため医療事務の需要も高く、年収も上昇する傾向にあります。一方、地方では医療機関の数が限られるので、都市部よりも年収が低くなる場合があります。 年収を上げるためには、診療報酬請求事務能力認定試験や医療秘書検定などの資格取得が効果的です。医療事務が専門資格を取得すると専門知識があると証明できるので、年収アップやキャリアアップが期待できます。 医療事務の年収は一律ではなく、就職先や地域、個々の勤続年数などによって大きく異なります。医療事務になるには?
医療事務になるために特定の学歴や資格は必須ではありませんが、専門的な知識と実務スキルを習得したい方は専門学校で学習するのが効果的です。 さらに、診療報酬請求事務能力認定試験や医療秘書検定などの資格取得を目指すと、就職やキャリアアップの際に有利になります。 資格を取得したり経験を積んだりするほど、医療事務としての信頼性が高まり、就職や昇進の機会も広がります。学習や資格取得の際には、現行の医療保険制度や診療報酬点数表の理解が必要です。 特に、レセプト業務に関する知識は、全ての就職先で求められるため、基礎学習を徹底しましょう。また、医療事務の仕事には医師や看護師だけではなく、患者とのコミュニケーションも求められるため、コミュニケーション能力も磨いておくことが大切です。医療事務の仕事は正確さと専門性が求められる
医療事務の仕事には、正確さと専門性が求められます。診療報酬請求やカルテ管理など、ミスが許されない作業が多く、専門知識が欠かせません。また、患者対応では、丁寧なコミュニケーションが求められます。 資格取得やスキルを磨くことでより高度な業務に携わり、キャリアアップの機会を広げられます。実習を通じて実務に役立つスキルを習得するためには専門学校への進学が効果的です。 本記事を執筆している東京医薬看護専門学校では、未経験から医療事務として活躍している卒業生が多数います。 2023年3月に卒業した学生の就職率は100%と就職に強いのが本校の特徴なので、医療事務として就職した方は、以下のリンクからお気軽に資料をご請求ください。